今や回りを見渡すと、デジタルなものが溢れています。毎日持ち歩いている携帯電話やスマートフォン、家にはパソコン、テレビを始め、洗濯機や冷蔵庫などの白物家電、炊飯器、エアコンなど家電機器のほとんどにはデジタルチップが入っています。また、車にもナビはもちろんエンジンからいろいろな制御系までコンピュータ化されていて、完全な自動運転もすぐ目の前に来ていますので、今や動くデジタルチップのかたまりと言っても過言ではないぐらいになっています。
また、会社などはもちろん、店舗、駅や空港、コンビニなどでもWi-Fiの電波が飛び交い、どこにいてもインターネットが繋がる時代に入りました。そこには光ケーブの終端装置、ルータ、無線LANのWi-Fiアクセスポイント、スイッチなどの機器がついていて、これらは完全にデジタルな動作をしています。
このようにデジタルなもので溢れている現在ですが、実はこれから益々デジタルなもので溢れる事になりそうです。そうですIoT、すなわち「Internet of Things」、つまり、どんなものでもインターネットにつながる時代となりつつあるのです。そうなるとそこには必然的にデジタルチップが入っていることになります。
このサイトでは、このようなデジタルに溢れた時代に、日々デジタルな出来事が起こっていると考え、身の回りで起こったデジタルな出来事などをご紹介して行くサイトです。
例えば、8ミリフィルムをデジタルデータに変換するとか、昔のベータマックスやVHS、8ミリビデオなどのビデオテープをデータに変換する、のような記事や、設定に手こずったことの備忘録的なものまでいろいろな「デジタル」な出来事を中心に記事を配信してい行きますが、時々は「アナログ」な出来事も織り交ぜながらご紹介しようと思います。
デジタルとは
さて、「デジタル=digital」とは、意味としては符号とか、連続していないとびとび(離散)の値、となりますが、ここでは「符号、数値、または0か1(offかon)で処理されたものを元にして動作している機械や電子機器、またはシステムや媒体」と定義しておきます。
デジタルの反対語に「アナログ」という単語がありますが、アナログは連続している値なのに対して、デジタルは連続していない符号という「情報」で表す事ができます。また、アナログなものはまったく同じものの複製が難しく、同じように複製したように見えても、どこか違うところがあり、この違いが「ノイズ」や「歪」のような概念として何処までもつきまといます。これは元のオリジナルが「劣化した」と言い換える事も出来ます。
しかし、デジタルは、符号という「情報」を元にしているので、複製しても、符号を間違わない限り、まったく同じものを作ったり伝えたりする事が可能となります。デジタルの情報処理には、この間違った符号を次に伝えないチェック機能を組み込むことが出来るので、もし間違った情報を次へ伝えようとした時に、このチェック機能が働いて、再処理する事が可能となっています。これはアナログが複製により劣化するのに対して、デジタルはオリジナルとまったく同一で「劣化しない」ということになります。
アナログで処理される媒体の例
さて、現在ではあらゆるものがデジタル化され、処理されて蓄積されていますが、デジタルの前はアナログで処理されて蓄積されていました。代表的なものとして、音と光があります。音や光そのものはアナログですが、それらを録音、録画して蓄積したり、拡声器で大きくしたり、電話で遠くの相手と話をしたり、また、フィルムカメラで写真を撮ったり、映画や8ミリフィルムであったり、ベータマックスやVHSといったビデオテープに録画したりする場合、そのシステムで使用されている技術もまたアナログでした。
まず音の記録ですが、例えばテープレコーダーやレコードプレーヤなどが挙げられます。テープレコーダーの場合、カセット方式やオープンリール方式を問わず、マイクなどから入ってきたアナログ音声信号を磁気テープに記録しますが、この記録方法は、磁気が塗られたテープを一定の速度で送りながら、その磁気テープに録音ヘッドをあてて、録音ヘッドに音声信号を流すと、磁気テープにその音声信号の変化に応じた磁気変化が記録されるようになっています。再生はその逆で、音声が記録された磁気テープを一定速度で送りながら、磁気テープに再生ヘッドをあてて、磁気テープに記録されている磁気の変化を再生ヘッドで拾って電気信号に変えるという方法です。これらのシステムはすべてアナログ技術を使用しています。
また、レコードですが、あらかじめ録音しておいた音源を、レコードのカッティングマシンに取り付けられたカッターヘッドに流します。カッターヘッドには、磁気に応じて上下に(ステレオの場合は左右に角度をつけて)動作するカッターがついており、そのカッターで一定に回転するターンテーブル上に固定されたラッカー盤に溝を刻んで行きます。そのラッカー盤から型を取って、マスター、マザー、そしてレコードをプレスするスタンパー盤を作るわけです。このスタンパー盤から最終的にプレスされたものがアナログレコードとして出来上がります。再生は、レコードプレーヤーでレコードに刻まれた溝の振幅がレコードの針からカートリッジのピックアップに伝えられ、ここで針の振幅に応じでコイル(MC型)または磁石(MM型)が動いて電気信号に変えられてアンプに送られます。これらの技術もアナログとなります。
次に光です。光はいわば映像です。映像のアナログ的な記録は写真のような静止画と、映画やテレビのような動画に分けられます。静止画である写真の記録媒体はフィルムです。カメラのレンズから入ってきた光をフィルムに記録して定着させ、逆にそれに光を当ててプリントして再現したのが写真として出来上がります。これらの工程もアナログで処理されていました。
また、動画である映画や8ミリフィルムですが、フイルムに記録するという方法は静止画である写真とほぼ変わりません。違うのは、写真は基本的には1コマ完結であるのに対し、映画や8ミリフィルムは長いフィルムを一定の速度で走らせながら、連写し続けて複数のコマを記録して1本の動画にすることです。1コマ1コマを写すのは写真の技術と同じアナログとなります。それから映画の音声は、フィルムの端にあるオプチカルトラック(サウンドトラックとも)という場所に、音声に対応した振幅の波形の形で撮影し、これに光を当てて読み取ることで音声が再生される仕組みになっていますので、これもまさにアナログ技術となります。(但し映画や8ミリフィルムの場合、映像の1コマ1コマを同期させて映像を再現するというシステムには、デジタルの要素も含まれていたといえるかも知れません)