NVR500(YAMAHA製ルータ)に050のIP電話(VoIP)を設定する方法

ホーム > NVR500 > 050IP電話設定

私の自宅ではYAMAHA製のNVR500というルータを使っています。NVR500は業務用にも使えるほどの性能がありますので、一般家庭や小規模な事務所でなら十分耐えうるものです。YAMAHAのネットボランチシリーズのルータで、もう一つのRTXシリーズにはない、アナログ回線やISDNの他にIP電話も使える有線電話ポートも備えています。このページでは、NVR500に050で始まるIP電話を設定をした方法を紹介したいと思います。




050番号とは、インターネット上で使えるIP電話なのですが、インターネット上だけでなく、03などで始まる一般の電話や携帯電話などとも発信及び着信ができるサービスで、050-xxxx-xxxxのように、050で始まる11桁の電話番号が与えられるものです。この050番号は、家庭用の電話機、ビジネスホン、携帯電話の他、アプリを使う事でパソコンやタブレットなどでも利用でき、それぞれサービスを提供しているプロバイダやサービス会社と契約する必要があります。

私はこの050番号を、自宅のFAX回線の専用番号にしているため、家庭用の電話機で利用できるサービスを契約しています。これを使う為には050のIP電話サービスを提供しているプロバイダなどとオプション契約をしなければなりません。私はぷららのインターネット接続サービスを契約しており、このオプションに「ぷららフォン forフレッツ」という050IP電話サービスがありましたので、これを追加で契約しています。050番号の契約をしますと、インターネット回線で音声電話通信ができるVoIPアダプター(ルータ)が指定されます。当時ぷららではNTTのWeb Caster V110というVoIPルータが指定され、これをサービス開始からNTTからのレンタルで使用してきました。

しかし、このWeb Caster V110ですが、時々フリーズしてしまい、通信が止まってしまう(詳しくは上位記事参照)のと、VPNが使いたかったので、この両方に対応しているというNVR500を使用するに至りました。実は、NVR500に変更した当初、050のIP電話を設定したあと、数日に1回程度、050番号に無言の着信が続いた事があり、その原因や回避設定も記録しておきたいと思ったので以下に掲載いたします。

NVR500では、設定をブラウザで行うことが出来るGUIと、コマンドで設定するCUIの2つの設定方法がありますが、ここではブラウザで設定するGUIで説明致します。また、VoIP関連の設定方法のみ(アナログ電話ポートなどの共通した項目も含まれます)を解説しますので、インターネット接続設定やVPNの接続設定などは別の解説ページを参照願います。



1.NVR500の設定画面を開く

パソコンのブラウザのURL入力欄にNVR500のLAN側のIPアドレス、例えば初期設定値のままであれば「192.168.100.1」などを入力して設定画面を開きます。(IPアドレスはLAN環境によって違いますので、NVR500に設定したIPアドレスを入力します) また、以下の設定を変更した後は「設定の確定」ボタンをクリックして下さい。入力箇所は希望する内容によっても違うとは思いますが、基本的には指定されたもの以外はデフォルトで結構です。以下の画面は設定のトップ画面です。VoIPの設定は、「電話の設定」から行います。(※もし以下の内容を実行する場合は当方では責任が取れませんので、あくまでも自己責任でお願い致します)NVR500 設定画面

2.VoIPの電話の基本設定をする

トップ →電話の設定 → VoIPの設定 → VoIPの基本設定 を開き以下を設定する。

■VoIP機能:使用する
■接続プロバイダ:接続するプロバイダを選択VoIPの電話の基本設定画面

3.IP電話サーバの設定をする

トップ →電話の設定 → VoIPの設定 → IP電話サーバの設定 →IP電話サーバーの新規登録(追加ボタン) →IP電話サーバ自動判別に050番号を入れて問題なければOK

IP電話サーバ自動判別でだめな場合は →手動設定を選択し(次へ) →その他のIP電話サーバを選択し(次へ:一覧にサーバ名があればそれを選択) →指定された情報を元に以下を設定する。

■sipアドレス: sip以下の 電話番号@ドメイン
■サーバーアドレス: 指定されたサーバーアドレス
■ユーザーID: 指定されたユーザーID
■パスワード: 指定されたパスワード
■発進時のプレフィックス「全ポート共通」: 全ポートを一括設定 / 直接(またはプレフィックスを指定する)
(sip-session-timerはチェックしない)IP電話サーバの設定画面

4.TELの共通設定の基本設定をする

トップ →電話の設定 → TELの共通設定 → 基本設定 を開き以下を設定する。

(TEL1ポート及びTEL2ポート)
■使用制限 VoIP:発着信で使用 (ISDNやアナログ回線も使う場合は必要に応じて設定)
■番号設定 VoIP:自己SIPアドレスの登録 → 電話ユーザー名(発着信で使用):050で始まる電話番号
■識別着信 VoIP:以下の条件に一致した場合のみ許可を選択し、自己SIPアドレスにチェックを入れる(無言電話など自動不正パケットを除外するため)
( ネットボランチ電話も使用する場合にはそれにもチェックを入れる)TELの共通設定の基本設定画面

自己SIPアドレスの設定

5.TELの共通設定のプレフィックス(識別番号)の設定をする

トップ →電話の設定 → TELの共通設定 → プレフィックス(識別番号)の設定 を開き以下を設定する。

プレフィックス識別番号の設定(共通)を設定
■電話回線:必要に応じて設定
■ネットボランチ電話番号:使う場合でも、「使用しない」にすれば、##で発信できる
■IP電話サーバ1:直接かけるか、または任意のプレフィックスつけて発信するか指定する。
※上記はのプレフィクスは重ならないように設定する。
※各TELポートの設定は必要に応じて設定する(特になければ「共通の設定を利用」でOK)

下記の例では、頭に0000をつけて発信すればアナログ回線で発信し、##をつければネットボランチ電話番号で発信し、何も付けずに番号のみの場合は050のIP電話から発信するとう動作になります。今回はこの回線はFAX専用なので、直接番号を入れるとIP電話で発信するようにしました。このように、プレフィックスとは、相手の電話番号の頭につけることにより、その電話番号をどの回線で接続するかのスイッチの役目を持たせるものなので、よく使う回線をプレフィックスなしに設定することにより、そのわずらわしさを軽減する事が可能となります。プレフィックスは自分で決めたものを指定する事が可能です。プレフィックス(識別番号)の設定画面

6.不正なSIPパケットを排除する

ここで、私が遭遇した数日毎に無言電話がかかってくる現象についてご紹介いたします。私がNVR500に050番号のIP電話を設定後、きちんと050でFAXの発信や着信ができる事や、ナンバーディスプレイにも発信、着信共に番号が表示される事を確認して数日後の事です。早朝にFAXの着信音が鳴り、FAXが応答するのですが、何も送られて来ません。するとまたFAXに着信があり、4、5回ほどそれを繰り返すのです。

最初は間違い電話かなと思ったのですが、数日経つと今度は真夜中にまた同じように4、5回ほど続けて着信があるのですが、FAXは送られて来ません。数日後またかかって来ましたので、FAXのディプレイを確認したら相手の番号が0000のような数字が並んでいてなんだか怪しいです。そこで、今度かかってきた時に相手がFAXかどうか確認しよてみようと、FAXに電話機を接続しておきました。

次にまた0000が表示されてかかってきたので、受話器を取ってみました。そうすると相手は無音です。FAXならピーガラガラのような音が鳴るのですが、まったくの無音でしたので何かスパムのようなものなのかネットで調べてみました。そうすると、セキュリティの甘いSIPサーバを探すBotがの不正パケットが原因だという事が判明しました。YAMAHAの場合、セキュリティ的には大丈夫ですが、Botがやってきた時に着信音が鳴ってしまうようです。

そこで、そこに解説されている方法(不正SIPパケット宛の着信をフィルタリングする方法)を実行したところ、それ以来ピタッと不正着信がなくなりました。要は、自分が持っているSIPアドレスを知らないと着呼できない設定をしました。上記でいうと、4番の赤色の部分で 自己SIPアドレスを登録し、識別着信に自己SIPアドレスに一致した場合のみ許可を与える設定を追加すればOKです。

参考)RTシリーズのインターネット電話機能に関するFAQ

(記事配信:2017年2月)

関連記事
NVR500(YAMAHA製ルータ)を使用した感想レビュー
NVR500に050のIP電話(VoIP)を設定する方法
NVR500(YAMAHA製ルータ)にVPN(PPTP)リモートアクセスを設定する方法