NVR500(YAMAHA製ルータ)を使用した感想レビュー

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私の自宅で使用しているルータは、YAMAHA製のNVR500というルータです。このルータには、インターネット接続機能やルータ機能の他にVPN機能やひかり電話、050電話、ネットボランチ電話などのIP電話、アナログ回線、ISDN回線が使え、チャンネル数は限られますが、それらを同時に使う事ができる高機能なルータです。




NVR500を使うに至った理由は、VPNで自宅のネットワークに接続したかったのと、もうひとつは、私が契約しているプロバイダはぷららなのですが、ぷららには050番号で始まる「ぷららフォン for フレッツ」というIP電話サービスがあり、これをうちではFAX専用の回線としてもう10年ぐらい利用しているのですが、このようなプロバイダがサービスをするIP電話の場合、通常はVoIP機能付ルータが指定されます。ぷららフォン for フレッツの場合も、NTT製ルータ「Web Caster V110」というルータが指定されていたので、ずっとそのルータをNTTからのレンタルで使って来ました。

しかし、このWeb Caster V110ですが、時々フリーズしてしまい、通信が止まってしまうのです。電源を入れ直して再起動すると復帰するのですが、月に1~2回ぐらいの頻度で起きていました。当初はNTTに相談して交換してもらいましたが、同じ現象が起きてしまいます。私の家では、有線LANでPCが5台、TV1台、NASが3台接続され、また無線LANで、PC2台、プリンター1台、iPadが3台、スマートフォン3台の他、AppleTV、ChromeCast、体組成計を接続していますので、恐らくLAN内のトラフィックが増大すると落ちてしまうのかも知れません。まあ、再起動すれば復帰するので、そのまま使用を続けるしかありませんでしたが、これがとても不満でした。そこで、VPN接続ができて、さらに050のIP電話も使えるというYAMAHA製NVR500を購入しました。

YAMAHA製ルータNVR500の前面写真

NVR500 前面

YAMAHA製ルータNVR500の背面写真

NVR500 背面

私の自宅ではNTT東日本のフレッツ光ネクストを使用しており、ひかり電話(2番号)も契約しているので、NTT東日本からひかり電話ルータ(終端装置一体型)をレンタルしています。実はNVR500はNTTのひかり電話にも対応しているのですが、ぷららの050IP電話も使用しているので電話ポート数の関係上、ひかり電話ルータにはひかり電話のアダプターとしてのみを機能させ、PPPoEブリッジ機能で、インターネット接続のプロバイダの情報はNVR500に設定して接続する形で運用しています。この他にNVR500ではVPNサーバー機能(PPTP)と、先ほどのぷららフォン for フレッツの050のIP電話のアダプターとして使っています。NVR500に変えてからは、落ちることはなくなり、050のIP電話も問題なく動作しており、さらにインターネットのスピードも改善したのでとても満足しています。


NVR500とNVR510について

このNVR500というルータは、発売は2010年ですが、2016年9月に後継機種のNVR510が発売されるまでの6年間という長期に渡ってYAMAHAのネットボランチシリーズの最新型として販売されてきました。それだけ良いルータとも言えますし、後継機種のNVR510も基本的な機能はインターネット接続機能やルータ機能の他にVPN機能やひかり電話、050電話、ネットボランチ電話などのIP電話、アナログ回線など、NVR500とほとんど同じ(※1)なので、それだけ機能や性能が安定している機種だと言えると思います。まあ、YAMAHAのネットワーク機器は、全般的には業務用としての仕様に匹敵するので、それだけに安定して動作するのだと思います。

NVR500の後継機種が出たとはいえ、2017年2月現在でもNVR500は継続販売されております。後継機種であるNVR510ではISDNポートが省かれてしまったので、まだ中小の会社などで使われているISDN需要にも対応するためだと思われます。しかしながら一般家庭などでは、ISDNはひかり電話などに置き変わっていますので、ISDNを使わない場合には、NVR500では対応していなかったL2TP/IPsec(※2)などが使える点を考えると、これから購入予定の方はNVT510の選択のほうが良いかと思います。ちなみに、2017年2月現在でNVR500は3万~4万円ぐらい、NVR510は4万~5万円ぐらいで市販されております。

※1)後継機種NVR510の主な改良点としては、スループットが1Gbit/s→2Gbit/sに上がった、VPNにL2TP/IPsecが追加された、NATセッション数が4096→65536へと増加した、NTT東日本の小型ONUに対応しているので、ひかり電話アダプターやONUなどの上位アダプターなしで運用可能になった、新しく設定画面などが新GUIで使いやすくなった等です。また、NVR510で省かれた機能としてISDNの回線には対応しなくなりました。

※2)2017年10月のファームウェアアップデート(Rev.11.00.36 以降)にて、NVR500でL2TP/IPsecが利用できるようになっています。詳しくは当記事下の追記事項(2018年9月29日)を参照してください。

NVRシリーズとRTXシリーズについて

実はYAMAHAのルータには2つのシリーズがあり、一つはRTX1210のようなRTXシリーズという業務用のVPNルータで、もう一つがNVR500のようなネットボランチというシリーズです。ネットボランチとはYAMAHAのダイナミックDNSサービスの名称で、VPN構築やサーバー公開などで必要となる固定IPアドレスではない場合でも、「任意の文字列.00x.netvolante.jp」のような一定のホストアドレス名で接続できる機能で、フレッツ光のようなグローバルIPアドレスが変化する場合でも、ネットボランチDNSがホストアドレス名に動的に関連付けをしてくれるサービです。このサービスがあるので、固定IPアドレスなどの契約をしなくてもVPNなどが構築できるのです。

このネットボランチDNSサービスは、YAMAHAのVPNルータならRTXシリーズでも使えるのですが、ネットボランチシリーズのルータではそれに加えて「ネットボランチ電話」という無料インターネット電話サービスが使えます。これはネットボランチシリーズのルータ間であれば、個別に与えられた8桁のネットボランチ電話番号で、無料電話が利用できるというものです。

YAMAHAのネットワーク機器の電話サポートが大変良い

最後に、これはYAMAHAのネットワーク製品全般に言える事ですが、電話などによるサポート対応がとても良い事が挙げられます。よくパソコン関連サポートは電話がなかなか繋がらないことがあったり、繋がっても問題が解決しない場合が多くありますが、YAMAHAのネットワーク機器のサポート電話はそれほど待たされることなく繋がりますし、ネットボランチ電話番号を使えば電話料金は無料で利用できます。また、解決まで親身になって相談にのってくれます。少なくとも私が何度か利用されていただいた時には満足な対応をしていただきました。

ここまでNVR500について使用してみた総評を書いてみました。さらに細かいNVR500の具体的な設定などはページ最下位にある関連記事を併せて参照して下さい。

(記事配信:2017年2月)

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※追記事項(2018年9月29日)
リビジョン11.00.36以降でVPNにてL2TP/IPsecが使えるようになりました。

2017年10月のファームウェアアップデート(Rev.11.00.36)以降にて、それまで使用できなかったNVR500でのVPNにおいてのL2TP/IPsec接続が使用できるようになりました。但し、PPTPのanonymous接続の併用やL2TP/IPsecによるLAN間接続には対応しておりません。

現在のファームウェアの確認とアップデートは、NVR500の設定メニュー(パソコンのブラウザのURL入力欄にNVR500のLAN側のIPアドレス、例えば初期設定値のままであれば「192.168.100.1」などを入力)を出し、「詳細設定と情報」ボタンを押します。(※もしこれを実行する場合は当方では責任が取れませんので、あくまでも自己責任でお願い致します)

NVR500の設定メニューから詳細設定をクリックする

次にページ下のほうにある「レポートの作成・コマンド実行・初期化」カテゴリ内にある「リビジョンアップの実行」を押します。

リビジョンアップのメニュー

リビジョンアップの実行画面の現在のリビジョンが、「Rev.11.00.36」以上になっていれば既にL2TP/IPsecは使用可能となっているはずです。しかし現在のリビジョンが「Rev.11.00.35」以下なら、リビジョンアップの実行ボタンを押して、ファームウェアのアップデートを行います。ダウンロードするURLがヤマハのWebサイトとなっていれば、ブラウザの設定画面上でアップデートの実行が完了します。(下記写真では記事作成時の最新版であるRev.11.00.38にバージョンアップされている状態ですのでバージョンアップの必要はありません)

リビジョンアップの実行画面

ファームウェアのバージョンアップが完了するとL2TP/IPsecが利用可能になっていますので、トップ画面から「詳細設定と情報」→「VPN接続の設定」と進み、追加ボタンを押すことでL2TP/IPsecが利用できる事がわかります。

VPN接続の設定画面

VPN接続の登録画面

但し、既にVPN接続の設定があり、その接続の中にPPTPのAnonymous接続が登録されている場合には、L2TP/IPsecのAnonymous接続との併用が出来ないためL2TP/IPsecのAnonymous項目はグレーアウトされていて選択できないようになっています。また、上記画面でもわかるように、L2TP/IPsecのLAN間接続は、その設定項目がないので登録は出来ません。しかし、L2TP/IPsec接続の選択肢が増えたことにより、他のVPN機器やモバイル端末との接続において、大きな改善点として評価に値すると思います。出来るのであれば、今後のリビジョンアップでL2TP/IPsecのLAN間接続や、PPTPのAnonymous接続との併用も実現できることを期待しています。

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