アルバムの写真をデジタルデータに変換する方法 – アプリ編

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前回はネガフィルムをデジタルデータに変換しましたが、今回はアルバムなどに入っているプリント済みの写真をデジタルデータに変換してみようと思います。デジタルカメラになる前の時代は、フィルムカメラで写真を写し、それを写真店などで現像して写真としてプリントしなければなりませんでした。このようなプリントした写真はその多くはアルバムなどに貼ってあると思います。しかし、写真にプリントした写真は、特に昔のものは色あせなど変色してしまったり、破れたり傷んだりてしまうこともあります。特に、土砂災害や地震などの自然災害で、アルバムに貼ってあった思い出の写真がなくなってしまったりする場合もあります。ネガフィルムが残っていれば、また写真としてプリントできますが、一般的にはネガが残っている家庭は少ないのではないでしょうか。また、ネガが残っていたとしても、ネガは視認性が悪く、目的の写真が、どのネガのどのコマか判断するのが面倒です。




私の家にもアルバムに貼ってある昔の写真があり、それらの古い写真の写真のネガはほとんどのものがなくなってしまっているので、今回はアルバムの写真をデジタルデータに変換しておこうと思います。デジタルデータにしておけば、クラウドストレージなどに写真をアップロードしておくことで、何らかの事故などでアルバムやデータがなくなってしまっても、クラウドストレージからダウンロードすることで、写真が再現出来ます。

写真をデジタルデータに変換する方法はいくつかります。まずは写真をイメージスキャナーでデジタルデータに変換する方法です。この方法は綺麗に取り込みが可能なのでお勧めです。但し、写真が少ない場合は良いのですが、沢山の写真がアルバムなどに貼ってある場合は、1枚1枚アルバムから写真を剥がしてスキャナーにセットしなければならず、時間がかかってしまいます。また、特に古いアルバムは写真がピタッとくっついていて、剥がすと写真が破れそうなものも多く一苦労します。まあ、写真を剥がさずにアルバムをそのままスキャナーにかける方法もできなくはないですが、それでもアルバムは結構大きいものもあるので、家庭用のA4サイズのスキャナーではなかなかスキャンはしにくいです。そこで今回は別の方法を探してみました。

別の方法としては、アルバムに入ったままの写真をデジタルカメラで写してしまう方法があります。この方法ですと写真を剥がす必要がないので、アルバムをめくりながら写真を撮って行くだけでよいので簡単です。しかし、この方法には2つの弱点があります。その一つは照明の写りこみです。写真の表面はつるつるしているものが多く、特にアルバムには表面にフィルムが被さっているので、デジタルカメラで写すと、照明の影響で、1枚の写真の中に明暗が出たり、写真の一部にテカリが出たり、照明自体が反射して写りこんだりしてしまい、このような影響を少なくする環境を作るのにとても苦労します。

2つ目は、写真の遠近歪みです。写真をさらにデジタルカメラで写す場合、被写体の写真は既に長方形に仕上がっているので、写真全体を歪みなく写すには、その縁に合わせて写真を撮る必要があります。しかし、これを正しく合わせるのは三脚を使ったとしても難しいですし、最終的にはトリミングを行わないといけません。まあ、それでも写真の枠に近い部分を少し犠牲にして中心付近を写せばそれなりに写すことは可能ですが、できれば写真に写っているものは欠けることなくそのまま残しておきたいものです。それでも、写真とカメラが正確に平行にならない限り、完全に遠近歪みを取ることは出来ません。




そこで、いろいろ方法を探っていたところ、とても良い方法が見つかりました。この方法はスマートフォンのアプリを使う方法ですが、写真をアルバムに入ったまま写すだけで、テカリをなくし、遠近歪も簡単に補正出来るという優れものです。このアプリは「フォトスキャン(Photo Scan)」というGoogleが提供しているアプリで、無料で利用できます。

このアプリの使い方は簡単です。私のスマートフォンはiPhoneなので、iOS用のアプリで説明します。最初に比較用として、iPhoneの標準のカメラアプリでそのまま写した写真を載せておきます。iPhoneのカメラも優秀なので、綺麗に写す事ができますが、ご覧のように、左上に照明のテカリが出てしまいますし、写真の回りに机の表面が写っているので最終的にレタッチソフトなどでトリミングしなければなりません。

iPhoneの標準カメラアプリで写した写真

では、次はフォトスキャンで取り込んでみます。このアプリでは、1枚の写真を取り込むのに、5回のシャッターを切るのですが、最初の1回以降は指示通りにカメラを移動するだけで自動的にシャッターを切ってくれますのでそんなに難しくはありません。まず最初は、写真全体が枠内に入るようにしてシャッターボタンを押します。

写真を枠内に合わせてシャッターボタンをタップする

1回目のシャッターを押すと、次の写真のように、写真の4隅付近に白く塗りつぶされた丸印が現れ、さらに中心に白い縁のマル印が現れます。また、三角の矢印が現れますので、その矢印通りにカメラを移動してその方向にある白く塗りつぶされた白丸に、中心の白縁の丸印を合わせます。すると自動的にシャッターが切れます。シャッターが切れると、また三角矢印が現れますので、その方向に移動し、その先にある白く塗りつぶされた丸印に白縁の丸を合わせます。これを4つの白く塗りつぶされた丸印が消えるまで繰り返します。もちろんスマートフォンは手に持ったまま出来ますので、三脚などは必要ありません。

4つの丸印に白縁の丸を合わせて行く

この4つの丸印を中心の丸縁に合わせてシャッターが切れると、5つの写真が自動的に比較合成されてテカリなどが修正されるのです。最後の丸印が消えると、チェックマークが表示され、アプリ内に合成された1枚の写真が取り込まれます。

取り込み方によってはこれで綺麗に写真がトリミングされて取り込まれることもありますが、ほとんどは余計な部分がまだ写っていたり、歪んでいることがありますので、次に遠近歪みを調整するのに「角を調整」という部分をタップしてトリミングを行います。

トリミングをします

「角を調整」という部分をタップすると合成された写真の縁の付近にトリミング用の枠が現れますので、4つの角付近にある丸を移動してそれぞれ写真の角を十字に合わせて写真が白い長方形の枠にきちんと入るようにして完了をタップします。その後最終的に保存すれば取り込みは終了です。

下の写真は最終的に出来上がった写真です。左上にあったテカリも消えてバックに写っていた机もトリミングと同時に遠近歪みも補正されて綺麗に仕上がっています。このステップを見ると難しそうな印象を受ける方もいるかも知れませんが、丸に合わせたりするのも結構適当でもうまく処理してくれ、撮影からトリミングまで1枚を仕上げるのに慣れると1分ぐらいで可能ですのでお勧めです。(クリックすると拡大します)

最終的に取り込みが完了した写真

Googleフォトスキャン iOS用 Android用

(記事配信:2017年2月)

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